留学生の就職:専門性+日本企業への理解が必要2008年01月06日
日本企業が中国の人材を様々な形態で活用し始めていることは前回お伝えしたが、大手の自動車メーカーも、仲介会社等を通して大連理工大学など中国の理工系大学からソフトウェア開発の技術を持つ中国人を採用している。日本では理工系の学生や自動車関連の技術者が非常に少なくなっていることと、中国の技術者のレベルが向上していることが背景にある。 それでは、技術があれば日本への留学経験や語学力は問わないのだろうか。この点が悩ましいところだが、日系企業の方に聞くと、技術の場合は、特に日本語が話せるということが重要だという。それは、日本語で仕様書を理解できて日本語で打ち合わせできないと、日本にいる技術者とのコミュニケーションが取れないためだ。英語が堪能、或いは中国語が話せる日本の技術者は非常に少ないため、中国人技術者を活用しようとすると、日本語ができないと仕事が進まないのである。そのため、来日前に日本語研修を受けたり、日本に来てからも日本語研修等に時間を費やしているケースが多い。しかし、グローバル化が進むなか、日本企業が根本的に抱えているこうした言語面での問題は大きなネックになる。英語が話せる技術者を増やすための具体的な措置が求められる。 一方、就職する側としては、日本への留学生はこれまでは希少価値があったが、優秀な中国の大卒との競争が激化しているため、今後は留学したというだけではなく、専門知識・経験等も持っていないと、差別化が図れないだろう。日本に留学したというだけでプレミアムがついた時代は終わったのである。それでも、留学生には日本の文化や社会の背景が分かるという意味での付加価値があるため、採用する企業としては、優秀な留学生を採用して本社でコア人材として育成することが中長期的に重要な戦略となる。 ソニーが中国で実施している直接採用の場合、現地で採用した後は日本語を教育して、日本において、まさに日本人社員の隣で働くことになる。日本語研修は来日前に3カ月間現地の日本語専門学校で行い、来日後も企業内でフォローアップする体制をとっているという。 このように、日本人技術者にとっても国境のないグローバルな人材競争が現実になってきている。中国人の立場から見ると、日本から中国へ戻って就職する場合は、技術系の業務だけでなく、他の職種でも現地人材との競争になる。これらを踏まえて日本企業が留学生に望むのは、まず日本語が仕事で使えることである。留学生を本社で採用するとしても、大半の企業は将来的に中国に派遣することを考えている。その場合、日本の技術者や管理者と電話一本で日本語で相談できる環境を作りたい。それができればそのブリッジ人材を軸に現地化を進めることが可能になる。そのためブリッジになる人材には、当然、高い日本語力が必要になる。 次に、分野に応じて、生産技術、知財、広報、人事、マーケティング・ブランディング、営業などの専門性を身につけていることが重要になる。新卒では経験がないために難しい面もあるが、こうした専門性を意識して大学生活を送ることは大事である。もう一つは、日本の企業文化をきちんと理解し、ある程度長期的な視野で考えられる人物かということだ。日本語ができて非常に優秀な人でも日本の企業文化に馴染まないケースも多いため、企業側としても、採用面接の際には自社のビジョンや理念をきちんと伝え、応募者の考え方や自社への適性度合いを見ておく必要があるだろう。入社してからミスマッチが明らかになっても遅いのである。(執筆者:九門崇) 引用:1月2日14時35分配信 サーチナ・中国情報局 関連記事
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